COLUMN
コラム
資金繰りは、会社経営の中でも最も重要なテーマの一つです。黒字倒産という言葉があるように、「利益が出ているはずなのにお金が足りない」という状況は、どの企業にも起こり得ます。
資金繰りが安定している会社と、いつも資金ショート寸前で慌てている会社。この2つの違いはどこにあるのでしょうか。実は、単に売上や利益の問題ではなく、「お金の流れを把握する仕組みがあるかどうか」という、もっと根本的な部分に理由があります。
本記事では、経理BPOや経理改善支援の現場から見える、資金繰りがうまくいく会社・苦しくなる会社の違いを具体例とともにわかりやすく解説します。
資金繰りがうまくいく会社には、ほぼ共通した特徴があります。それは「将来のお金の動きを事前に把握していること」です。逆に、資金繰りが苦しくなる会社の多くは、過去の数字だけを見て経営判断をしがちです。
資金繰りが安定している会社は、月次ではなく週次、企業によっては毎日資金繰り表を確認しています。将来の入金・出金を把握しているため、資金ショートの芽を早期に発見できます。
●入金予定が売掛金データと紐づいている
●大きな支払日が事前に共有されている
●借入返済スケジュールが資金繰り表に反映されている
一方、資金繰り表を作っていない会社、あるいは「作ってはいるものの更新されていない会社」は、気づいたときには資金不足に陥るケースが多いのが実情です。
資金繰りの悪化は突然起きるわけではありません。多くの場合、売上減少や原価増加などの兆候が月次に現れます。しかし、月次決算が締まるのが遅い会社では、その兆候に気づくのが1〜2か月遅れになってしまいます。
●月次決算が締まるのが翌月末〜翌々月
●売上や利益の実態がリアルタイムで把握できていない
●数字を“振り返るだけ”で、意思決定に使えていない
資金繰りが安定している会社は、経理の仕組みそのものが整っているため、数字を使った経営判断が圧倒的に早いのです。
資金繰り悪化の原因として最も多いのが「入金遅延」です。売上は計上されていても、入金が遅れれば会社のお金は不足します。
●入金予定日が把握できていない
●請求漏れがある
●支払条件が取引先によってバラバラ
売掛金管理は、単に請求書を発行するだけでは不十分です。資金繰りを安定させる企業は、入金管理のフローが整っており、回収漏れ・遅延のチェックが仕組みとして機能しています。
資金繰りが悪い会社に共通する特徴が、「支払いの全体像が見えていない」ことです。
●税金・社会保険料の支払月を把握していない
●固定費と変動費の内訳が不明確
●突発的な支払いにより資金ショートする
資金繰りが強い会社は、年間の資金計画や支払スケジュールを一目で把握できるようにしており、先手の資金調達が可能になります。
資金繰りの良し悪しは、PL(損益計算書)よりもBSに表れます。資金繰りが弱い会社ほど、PLの売上や利益に意識が偏りがちで、負債の返済スケジュールや資金残高に目が届いていません。
●借入金の返済がキャッシュに与える影響を理解している
●棚卸資産・売掛金の増減に敏感
●投資回収の視点で設備投資を判断している
BSを読める社長は、資金が減る理由・増える理由を把握しているため、判断が安定し、資金繰りが安定しやすい傾向があります。
現場で多くの企業を支援する中で、資金繰りに苦しむ会社には明確な共通点が見えてきます。
決算書や月次試算表が出来上がった時には、すでに資金繰りが悪化している。これは典型的な「後追い経営」のサインです。
経理担当者が突然休職・退職すると、振込・請求・入金管理が一気に混乱するケースが多いです。仕組み化されていない会社ほど脆弱です。
紙中心・担当者任せの経理体制では、経営者がリアルタイムに数字を把握できず、意思決定が遅れがちです。
資金繰りは「売上」よりも「仕組み」に左右されます。そこで効果を発揮するのが経理BPO(アウトソーシング)です。
●資金繰り表・月次決算を仕組み化できる
●売掛・買掛・経費のルールが統一され、漏れがなくなる
●社長がリアルタイムで数字を見られる環境が整う
●異常値を毎月チェックし、トラブルの初期段階で対応できる
「数字が見える」ことで、経営の判断スピードが上がり、資金に余裕が生まれ、攻めの投資ができるようになります。
資金繰りは社長の不安の中でも上位に挙がるテーマです。正しい仕組みを整えることで、資金繰りは誰でも改善できます。
●資金繰り表がなく、毎月の資金が不安
●月次決算が遅く、数字が見えない
●売掛金の回収遅れや請求漏れがある
●経理が属人化していてリスクが高い
こうした悩みは、専門家とともに仕組みを作ることで解消できます。
ファーストパートナーズ会計事務所では、経理BPO・クラウド会計導入・マネジメント改善支援を通じて、企業の資金繰り安定と経営力強化をサポートしています。
資金繰りを整え、成長に向けて一歩踏み出したい──そんな時は、ぜひお気軽にご相談ください。
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